鉄の女の　“小倉記念”

小倉で施行される重賞レースで最も歴史が古いレース「　小倉記念　」。
１９９２年、１頭の牝馬が勝利しました。
その馬の名はイクノディクタス。
１９８９年にデビューしてから１９９３年に引退するまで、１度も故障もせずに５１戦ものレースを走り抜け「　鉄の女　」と呼ばれたイクノ。
でもそんな彼女には、デビュー前に屈腱炎を発症し、安楽死処分も検討されるほどの状況の中で、「　骨折以外は装蹄で治せる　」という持論の福永守装蹄師に預けられ、その言葉通り完治しやっとデビュー出来た過去がありました。

その反面、メジロマックイーンに愛されたとか、彼女自身ははトウカイテイオーが好きで、休養に行った九州でテイオーとデートしてた（？）とか、華やかな浮名を流したイクノ。

牧場の、中学生の可愛い息子さんと一緒に、放牧地の入り口にきた彼女は、本当に２６さい？（当時。今は２８才です）というくらい若々しく艶っぽい牝馬さんでした。
こんな優しい顔の彼女が、マックイーンやテイオーを始め、ダイタクヘリオス、ムービースター、レッツゴーターキン、メジロパーマー等、錚々たるメンバーと走ってきたのかと思うと、そのファイティングスピリットに頭が下がる思いでした。

どうかその「　鉄の女　」の愛称通り、これから何年も長生きしてほしいと願っています