○○○○さんに捧ぐ

「1倍台の人気馬にデムーロは買えないなぁ」
赤ペンをタバコの様に挟み、スマホで距離データをタップしながら、スポーツ新聞に目を落とす
「?の逃げがハマるはず」
三連単の１着欄にマークする
「おー、見た顔だと思ったら、ライアン君じゃん！　マックさーん！ライアン君がいるよー！」
パドックの反対側から、手を振っている奴がいる。
隣りの奴は、恥ずかしさのあまりに
真っ白だ。
その、二人組が近づいてきた
「ライアン君、調子どぉ？マック君凄いよ！もう２レース的中してるんだよ！
僕なんか、カスリもしないのにー」
パーマーが無邪気に話かける
「このレースは、なにねらってるんだい？」
マックは、爽やかに問う
「今までは、カスって的中はないが
?の頭から行こうと思ってる」
ライアンは、二人を相手にせず、マークを進めた
「?？?って黒鹿毛やないかーーい！
　ライムシャワーってどんな名前や！」
いきなり取り乱した、マックの隣りで
パーマーが11時の鳩時計の様におじぎをしている
落ち着いたマックが馬券を見せる
「まぁ、まだ一万ほどしかﾌﾞﾗｽになってないが、このレースはこの四頭で固いよ」確かに、ライアンも抑えた四頭だ
マックは馬連BOXのようだ
レースは、二頭の叩きあいに一頭が差して来るゴール前だがマックは、涼しい顔
「ほら??だ、?は人気ないから
50倍はつくかな？」
再びパドックに向かう為、マックが歩き始めた
「でも、審議だぜ」ライアンが呼び方止めると
「審議で着順はなかなか変わらないよ」
二人も、後に続く
パドックの周回を見つめているとアナウンスが流れた
「、、、為２着?番と３着?番の着順を変更したうえ確定となります」
「払い戻しをお伝えします、、」
「あれ？誕生日馬券　あたっちゃった
31550円だって！ラッキー！」
パーマーが無邪気にピースする
マック君の白い顔が更に白くなり
「これは、裁判しても、闘います！」
二人が、なだめていると
「１つも、あたんねーよ！」
いかつい声が聞こえた
「ずーっと、朝から熱いネーチャンがあるね」パーマーが話す
ライアンも、他人事ではない
狙いのポイントはあっている
何かが噛み合わず勝てていない
マック達の引き立て役なんかゴメンだ
最終レースは、競馬を初めた頃を思い出そう
予想が楽しかった頃を
マックは、同じ買い方をしている
パーマーはお誕生日馬券
でも、最後に来たのは？？
大穴とはいかなかった
けど、ライアンの狙い通り決着し
中穴配当をゲットした
払い出しを噛みしめ自答する
そうさ、デューク東郷も言っていた
「競馬は馬7人3　そうだな、残りの90は運だ」

「おぅ、メジロの３にーさんやん！
最終、大枚ぶちこんでドーンですわぁ！」
ドーベルさんが札束扇子をあおりながら
近寄ってきた