エンプレス杯の日

本日は、エクスプレス杯の日
出走叶わず上総Sに出走予定のブチコ
角馬場で、軽いウォーミングアップ中に
栗東唯一の、3歳一つ星ゼッケンを付けた
馬が、ダグで近づいた。
「ハイ、ルメールさん！ブチコに騎乗するんですねー、いいですねー！
私も、ママもブチコの大ファンよ！
(実話)ブチコグッズほしいね！
フォトでもいいよー！
でも、なんで？私に乗せてくれなかったのかなぁー？」
「弥生賞　金子さんのマカヒキにも、
乗せてもらいますよー」
「あぁダメね！リオン！ハミがかかったねぇ」
デムーロのダグからキャンターに下ろす姿は美しい。

ブチコの最終追い切りを終え
ルメールは、食堂で肉うどんで軽い朝食をとっていると、デムーロがニコニコってきた
「ルメールさーん、ブチコのフォト下さいよー！」
「ダメですって！スマホ持ち込み、JRA さん　怒ります。ラインで騎乗停止
怖いです！ベッキーさんもライン　怖い　言ってました」
カウンターで、コーヒーを口に付けた
武豊が、そそくさとラインアカウントを
削除した。
「今週は、どうですか？勝てそうですか？」
「動きはとてもパワフル！50秒台であがったね！でも、レース見ると
途中で止めるところがあるかもしれない、白い馬は、人の思惑に反対する所があるのかもしれない」
すると、一瞬　時が止まり
二人は、顔を見合せた
「あれ？なんか？(誰の事や！)って聞こえた気がしなかった？」
「ルメールさん、それは空耳ね」
いや、日高のビックレッドファームで
確かに、その声は木霊した。
「でも、いいなぁ、僕もブチコさん
乗りたいよ」相当なファンのようだ
「ダメだよ、デムーロさん
先週もフルーキー出てるのに
勝っちゃたから、オーナー気分悪いよ」
「そうかぁ、、あれ？ルメールさん
スマホ持ってるやん！」
キューピーさんの様なルメールのお顔に
少し焦りが走った
「違うよ、ラインじゃないよー」
と、ルメールはスマホ画面をデムーロに見せた。
画面には、地方Pat画面のエクスプレス杯
アムールブリエの単勝がしこたま買われていた。

遠い日高のビックレッドファームに
「それ！あかんやつやぁ！」
の声が木霊した