Ｇ〜〜激闘編〜〜

(マズイな)
安息の地に装備出来る武器など無く
丸腰で挑む羽目になるとは・・・・
(コレしか無いか)
スポーツ紙の馬柱欄を手に取り
気取られないようにそっと近づく・・・・

間違いない！「G」だ！！
遮光カーテンで薄暗い部屋の
煙草のヤニで薄ら黄ばんだ白い壁紙に
「G」は居た。

狙いを定め粉砕しない程度の力加減で丸めたスポーツ紙を水平に振り下ろす。

「(°Д°)ｱｯ･･･」

しくじった！！
すんでのところで「G」がひらりと交わし
宙に舞う
そしてテレビの裏へと落ちて行く

・・・・・・・

(見なかったことにしよう)

・・・・という訳にもいかない。

テレビ台の隙間から裏を覗く

壁の隅
纏められた電気コードの上
微動だにしない「G」の姿を確認

空振りと思われた一撃
どうやら 掠めていたようだ。

・・・・・睨み合いが続く

(今しかない・・・)
賭けに出る事にした。

「最強」の武器を手に入れる為
急いでその場を立ち去る

(逃げたんじゃない！逃げたんじゃない！)

猛スピードで「CVS」へ駆け込み

「緑色の缶」を手に取り
急いで戻る。

(居た・・・)

手負いの「G」は1ミリも動かず同じ場所に・・・

(コレでお終いだ)

銃口(噴射ノズル)を向け引鉄(トリガー)を引く

(プシュ〜〜〜〜〜〜〜)

その刹那
手負いの「G」が暴れ出す。
(プシュ〜〜〜〜〜)
容赦なく引鉄を引き続ける。
逃げ込んだと思われる床とカーペットの隙間に
「これでもか！」と・・・

(終わった・・・・)
否！まだだ！「G」の亡骸を確認・処分する迄は
安息の地になる事は無いのだ。

耳を澄ませ「G」の気配を探す

(ｶｻ・・・ｶｻｶｻ)
しぶとい・・・まだ生きていたのだ

虫の息とはこの事か

無慈悲にトリガーを引き、とどめの一撃を浴びせる。

動かなくなった事を確認し
大量のティッシュペーパーを手に取り亡骸に被せ、恐る恐る掴み上げる。
そして「家」を出てゴミ収集所へ

(終わったんだ・・・今度こそ終わったんだ)

部屋へ戻り「あの匂い」が立ち込める中
安堵の表情でタバコに火をつけ
紫煙を燻らせる・・・・・・


〜〜〜〜〜完