1件のひとこと日記があります。
2016/08/11 03:20
『今日のスーパーショット』 清水成駿 第65回東京優駿(日本ダービー)
3強ダービーも蓋を開ければスペシャルWの一本人気。ピークを思わせる迫真の最終追いを見せつけられて、3強くらい荒れるダービーはない、と力説していた保険屋藤田もコロリ宗旨替え。しっかと見たぜグリーンチャンネル、これが前回と今回の調教まで放映するビジュアルの功罪か。
確かに今回のスペシャルWは素晴らしい。が、デキと強弱は別物。内外の馬場差に前残りの皐月を思えば価値ある3着でも、本当に抜けた馬なら差し切っていたはず。実際、直線でキングHに馬体を併せながら逆に引き離されたのだ。そもそも超A級馬とは白梅賞で地方馬に脅かされることはあっても負けないものだ。
決して抜けてはいない、3強は互角だろう。だからこそ同じ力で牽制しあう3強の緊張くらい怖いものはない。明治天皇さえ古いと言ったかどうか遡ること30年、ダービー史が証明している。同じ強さでしのぎを削ったマーチス、タケシバオー、アサカオー、が、油揚げをさらっていった鳶は何と皐月6着の伏兵タニノハローモアであったのだ。
逃げから追込み、形は変えても歴史は繰り返す。鳶役の◎には同じ皐月6着のボールドEを指名。むろん6着だけではない、終始外々を回って4コーナー15番手から直線だけで突っ込んだ未脚は36秒5、メンバー中2番目の記録ながらゴール前の鋭さは一番。VTRを50回も回しただろうか、仮にこれが東京なら3強が4強に変わっていたのではないか。元々が広い馬場でこその馬、同形態の京都で連対率100%なら河内の腕とツキに乗ってみる手はある。自信はない。が、皐月1〜4着馬への均等買いはこの一年、この日の為に大事に大事に膨らませてきた清水のシャボン玉なのだ。
大好きな評論家・清水成駿氏の『1馬』でのコラム。押入れに閉まってあった、当時の「切り抜き」を久々に読み返してみました。数多くの「孤高の◎」がありますが、最高傑作となるダービーのボールドEはもはや語り草。
孤高の◎と言われつつも鉄板と判断した時には一本勝負したり、とにかくインパクトのある大胆な人だった。自分もそうだが、「今日のスーパーショット」を読むがために1馬を買っていた人も多かったはず。
青春(成駿)時代のたくさんの思い出をありがとう!安らかに…