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2018/03/27 19:55

岡部幸雄と与那国馬

沖縄の宮古島のレストランで偶然隣り合わせた旅行者のTさんの車に
同乗させてもらい、
石垣島をドライブした。
最北端の平久保岬の灯台を見たあと、道に迷った。
農道のような狭い道をずんずん進んだ先に、
その牧場があった。
「石垣島馬広場」という。
若い夫婦が経営されている乗馬施設だ。
さっそくTさんが体験乗馬に出かけている間、
牧場の奥さんにお話をうかがった。
私が競馬好きだと告げると、岡部幸雄がここへ来た、という。
そして、「競馬の神様」として知られる岡部元ジョッキーがまたがる
与那国馬の手綱を引いた、
と奥さんは、笑顔を眩しく輝かせて話された。
この話は、久野照雅氏の住む与那国島の牧場に、ある日、
岡部幸雄が一旅行者として訪れたことから始まる。
久野氏はかねてより、
与那国馬の利用と普及活動に献身している先駆者として知られている方で、
ご夫婦の師匠にあたる。
与那国馬というのは、日本の在来種の馬で、
与那国島に120頭(2012年現在)生息する。
明治以降に入ってきた西洋馬と在来馬との交配が進む中で、
絶海の孤島与那国島の隔絶された環境により、
純潔の在来種として与那国馬が保たれた。
与那国馬は農耕や運搬など 、島の生活に密着して利用されていたが、
機械化やモータリゼーションによって、次第に用途を失い、
今は観光用として島に放牧されている。
しかし、与那国島は有人で日本の最西端の島で、誰でも簡単に行ける所ではない。
この馬は、ポニーの仲間に属し、人に慣れやすく、
丈夫な蹄は、乗馬にも耐える。
こうした与那国馬の魅力をもっと人々に多く知ってもらおうと、
久野照雅氏らは普及活動に邁進されている。
与那国馬と触れあえる施設は今では与那国島だけでなく、
沖縄本島や石垣島、久米島にまで今や広がっている。
これも久野氏やここ「石垣島馬広場」のご夫婦など、
志を同じくする仲間たちの活動の成果だ。
岡部幸雄も彼らの情熱に打たれて、協力を申し出たという。
与那国馬はほかに、琉球競馬にも供されている。
琉球競馬とは、サラブレッドの近代競馬のような、
スピードやタイムを争うだけでなく、
歩様や馬の姿勢の美しさを競うもので、起源は琉球王府の時代に遡る。
長く途絶えていたが、2013年に70年ぶりに復活した。
近年では1〜2月に沖縄本島で開催され、
岡部幸雄も審査員として参加されている。
ほかに、与那国馬をめぐる催しとして、
海馬(うみうま)遊びという夏の風物詩がある。
これは、乗馬したまま海に浸かったり、
馬の尻尾につかまって海を進んでいったりする遊びだ。
動画を見ると、実に伸びやかで、
馬が人間に身近であったころの馬と人との強い結びつきがよく伝わってくる。
岡部幸雄もこの海馬遊びに興じられた。
家で飼っている農耕馬に乗ったまま、
川の中にザブンと入って遊んだ子どものころを思い出して、
大いに懐かしんだという。
岡部は競馬というより、馬が本当に好きだったのだろう。
このエピソードを聞いて、
岡部幸雄に対する親しみとますますの敬意を新たにした。



来年、琉球競馬を見にまた沖縄に行くぞ。

海馬遊び
https://youtu.be/JvXmqUZva2c?t=98

「石垣島馬広場」のホームページ
https://www.ishigaki-umahiroba.com/

久野照雅氏の来歴
http://okinawaclip.com/ja/detail/1719

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    2018/03/27 21:34 ブロック

  • 烏賊鯖さんがいいね!と言っています。

    2018/03/27 20:09 ブロック